花粉症とは
スギ、ヒノキ、ブタクサといった植物の花粉を原因として起こるアレルギー疾患です。
アレルゲンとなる花粉が飛散する時期のみ症状が現れることから、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。
花粉症の症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまりは、花粉症の三大症状と呼ばれています。また、さらに目のかゆみを加えて四大症状と呼ばれることもあります。
その他、以下のように、さまざまな症状が見られます。
- くしゃみ
- サラサラした鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ
- 乾いた咳
- 熱っぽい
- 倦怠感
- のどのかゆみ
- 肌荒れ
- 頭痛
花粉症を引き起こす原因
花粉症は、花粉が体内に侵入し、免疫が過剰に反応することで発症します。
スギ、ヒノキ、ブタクサ、カモガヤなどの花粉がアレルゲンとなります。中でもスギ花粉は花粉症全体の約8割を占めるアレルゲンです。
いくつかの花粉に対してアレルギーを持ち、ほとんど一年中花粉症に悩んでいるという方もおられます。
当院で行う花粉症の治療
舌下免疫療法
花粉症の原因となるアレルゲン(花粉)の成分を含んだ薬剤を、少量ずつ舌下(舌の下)に投与し、症状をコントロールする治療法です。
長期にわたる効果が期待でき、完治(内服などの治療が必要なくなること)する方もおられます。また、完治しなくとも、内服薬を減らせるといったことが期待できます。
ただし、すべての方に有効であるわけではなく、全体のうち2割の方には効果がなかった、という報告もなされています。
スギ花粉症に対するシダキュアの舌下免疫療法について
シダキュアは、スギ花粉症のアレルゲン免疫療法の薬です。スギ花粉から抽出したエキスを使用しています。少量から摂取し、身体を徐々に慣らすことで、スギ花粉症の症状を緩和します。
この治療を始める前に、スギ花粉症の診断が必要です。アレルギー症状の有無に関係なく、毎日長期間にわたって継続して服用する必要があります。
シダキュアの効果
- スギ花粉症が中等度以上ひどい方
- 舌の下に錠剤を1分間保持可能で、嚥下後5分間飲食不可が守れる方
- 内服後2時間激しい運動と入浴は不可が守れる方
- 毎日薬を飲むことができる方
- 決められた期日ごとに通院が可能である方
治療対象となる方
- スギ花粉症が中等度以上ひどい方
- 舌の下に錠剤を1分間保持可能で、嚥下後5分間飲食不可が守れる方
- 内服後2時間激しい運動と入浴は不可が守れる方
- 毎日薬を飲むことができる方
- 決められた期日ごとに通院が可能である方
ダニアレルギーに対するミティキュアの舌下免疫療法について
ミティキュアは、ダニアレルギーのアレルゲン免疫療法の薬です。ダニから抽出したエキスを使用しています。少量から摂取し、身体を徐々に慣らすことで、ダニによるアレルギー性鼻炎などの症状を和らげます。この治療を始める前に、ダニアレルギーの診断が必要です。アレルギー症状の有無に関係なく、毎日長期間にわたって継続して服用する必要があります。
ミティキュアの効果
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善
- 涙目・眼のかゆみの改善
- アレルギー治療薬の減量
- QOL(生活の質)の改善
治療対象となる方
- ダニによるアレルギー性鼻炎のある方
- 舌の下に錠剤を1分間保持可能で、飲み込んだ後5分間飲食不可が守れる方
- 内服後2時間激しい運動と入浴は不可が守れる方
- 毎日薬を飲むことができる方
- 決められた期日ごとに通院が可能である方
治療の流れ
STEP1
血液検査などによりアレルゲンを特定し、スギ花粉症(またはダニアレルギー)であることを確認します。
STEP2
治療内容にご同意いただけましたら、治療を開始します。初回の投与は、院内で、医師の指導のもと実施します。
STEP3
ご自宅で毎日投与していただきます。1~2週間かけ、投与量を増やします。
STEP4
効果は、投与開始後3ヵ月ほどで現れます。※そのため、花粉の飛散シーズンの3~4ヵ月前の受診をおすすめします。
STEP5
1ヵ月に1回程度通院していただきながら、ご自宅での投与を続けます。短くとも3年以上の継続が推奨されています。なお、花粉が飛散しないシーズンを含めて、1年中毎日投与する必要があります。
ご家庭でできる花粉症対策
花粉症は、アレルゲンである花粉との接触を回避することで症状の出現を抑えることができます。また、食生活や生活習慣の改善によってアレルギーが起こりにくい身体づくりに取り組むことも大切です。
ライフスタイルによって“できる・できない”があるかもしれませんが、できることは積極的に取り入れていきましょう。
規則正しい食生活を心がける
- 規則正しく、バランスのよい食事を摂るようにしましょう。
スナック菓子、清涼飲料水、アルコールはなるべく避け、身体に優しいお茶・野菜・果物などを取り入れます。
生活習慣・環境に気を付ける
外出時の服装
- マスク、花粉対策眼鏡、帽子などを着用して外出します。
- 一番外側の服(コートなど)は、ツルツルした素材のものを選ぶと、花粉が付着しにくくなります。
帰宅時
- 玄関ドアの外で、服、髪の毛に付着した花粉を払い落としましょう。
- コートなど毎回洗濯しないものは、できるだけ玄関に近い場所で保管しましょう。
- 手洗い、うがい、洗顔で花粉を洗い流しましょう。
- できればすぐにお風呂に入り、清潔な服に着替えましょう。
自宅
- 花粉の飛散シーズンには、ドア・窓を閉め切っておくことで、花粉の侵入を防ぐことができます。
- 空気清浄機を使用しましょう。
- 小まめに掃除機をかけましょう。
- 午前中は花粉の飛散量が少ないため、その時間に換気、掃除、洗濯(取り込みまで)を済ませておくことをおすすめします。
寝具
- 必ず清潔なパジャマに着替えてから布団に入りましょう。
- 布団カバー、シーツは小まめに洗濯しましょう。
- 布団はベランダなどで干すのではなく、できるだけ布団乾燥機を使用しましょう。干す場合には、花粉の飛散量が少ない午前中がおすすめです。
グッズやアイテムを活用する
- マスク、花粉対策眼鏡、帽子、空気清浄機などのグッズ・アイテムを活用しましょう。