当院の漢方診療の特徴
当院では、ご希望・症状に応じて、漢方診療を行っております。
私たちがもともと有している自然治癒力を高め、症状を優しく和らげます。
場合によっては、西洋薬と併用することで、より高い効果が期待できることもあります。
漢方診療で診察可能な症状・疾患
漢方は、主に以下のような症状・疾患が認められる場合に使用します。
女性の病気
手足の冷え(抹消循環障害)
いわゆる“冷え性”のことで、夏でも手足が冷えたりすることを指します。
周囲の人が感じる温度との差に悩んでいる方が多くおられます。
血行が悪くなっていますので、胃腸の消化機能の低下なども心配されます。
漢方診療では、自律神経を整えることで血行を促進し、冷えの軽減、胃腸の機能の正常化を図る処方を行います。
生理痛・PMS・月経不順
「生理痛」とは、生理中に生じる痛みのことです。激しく痛み、寝込んでしまうこともあります。
「PMS(月経前症候群)」は、生理前の3~10日のあいだに見られ、腹部の違和感、イライラ、憂うつ、乳房の張り、頭痛、不眠などを伴います。
「月経不順」とは、25~35日という正常な生理周期から外れている状態です。
気、血(けつ)、水(すい)の状態を整える処方を行い、これら生理に伴う書状を軽減します。また、無理なダイエット、過労などがあれば、生活習慣の指導などによってそれらも改善します。
更年期障害
ほてり、多汗、動悸、手足の冷え、イライラ、不安、抑うつ、不眠などの症状を伴い、主に45~55歳くらいの更年期の女性に見られます(男性でも更年期障害は起こります)。
女性に見られる更年期障害に伴うこれらの症状は、「血の道症」と呼ばれます。漢方診療では、これらの症状を和らげる処方を行います。
皮膚の病気
湿疹
体質的な要因があり、そこに皮膚への刺激が加わることで生じるのが湿疹です。かゆみ、ジュクジュク、赤み、乾燥などの症状を伴います。
“湿疹”と一括りにして診るのではなく、これらの症状に応じた漢方を処方することで、早期の改善が期待できます。
慢性の病気(便秘・胃腸疾患・腰痛など)
便秘
便秘を放置しておくと、腸内細菌の死骸や消化液の残骸などがお腹の中に留まることになり、肌トラブル、腰痛、不眠といった不定愁訴を引き起こすこともあります。
漢方療法では、身体のバランスを整えることでこの便秘を解消します。ストレスを和らげるもの、胃腸の熱を冷ますもの、腸粘膜の潤いを取り戻すものなど、さまざまな漢方薬があります。
胃腸疾患
食欲低下、すぐにお腹が痛くなる、お腹が張るといった胃腸の不調がある場合にも、漢方療法は有効です。胃を冷やさない(冷たいものばかり摂らない)、ストレスを解消する、食べ過ぎない範囲でしっかりと栄養を摂るといったことも大切です。
腰痛
年齢を重ねるほど、腰痛にお悩みの方が増えてきます。漢方では、腰痛は気や血(けつ)といったエネルギーが経絡に届きにくくなるために起こるという考え方があります。
整形外科などで治療を受けているがなかなか治らないという場合には、漢方療法を検討してみることをおすすめします。腰痛のタイプに応じて、漢方薬を処方します。
アレルギー
花粉症
スギ、ヒノキ、ブタクサといった花粉を原因として、鼻水・鼻づまり・くしゃみを主とした症状を伴います。
漢方療法では、アレルギーが起こりにくい体質へと改善していくための処方も行います。
もちろん、花粉を回避する(接触しないようにする)といった基本的な花粉対策も大切です。
アトピー性皮膚炎
皮膚のバリア機能が低下したところに、外からの刺激が加わることで起こるのがアトピー性皮膚炎です。湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返します。
漢方療法では、自律神経のバランスを整えながら、皮膚の抵抗力を取り戻すための処方を行います。
自律神経系の症状(頭痛・めまい・イライラ)
ストレス、疲労などが続くことで交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、頭痛、めまい、イライラなどがある状態です。
自律神経の働きを整える漢方を処方します。また、心身のストレスの軽減のためのアドバイスもいたします。
その他
むくみ
むくみは、飲食物の水分を全身に運ぶ(脾の運輸)機能の低下、水分のうち必要なものと不要なものを分ける(腎の蒸騰気化)機能の低下などによって生じます。
漢方診療では、これらの弱った機能の回復を促す処方をいたします。
ニキビ
ストレス、睡眠不足、生活習慣の乱れなどがあれば、大人でもニキビはできます。
漢方では、体内で発生した不要な熱を原因としてニキビなどの皮膚症状が出現するという考え方があります。この熱を取り除いたり、熱の発生を予防する漢方の処方を行います。
診察の流れ
STEP2ご来院・問診票の記入
受付でお渡しする問診票をご記入ください。
STEP3診察
症状、病歴、生活習慣などをお伺いします。
顔色・眼光・肌・皮膚・身体・舌の状態を視覚的に観察し、声・呼吸音・咳の状態・問いかけに対する応答の調子など、聴覚からもお困りの症状の原因を診ます。
漢方的な診察には、身体に触れることで脈を取ったり(脈診)、腹部を診たり(腹診)する方法があります。
STEP4漢方薬の処方
お薬が必要と判断した場合、漢方薬を処方いたします。
漢方診療に関するよくある質問
漢方薬の処方は保険適用ですか?
粉薬(エキス剤)は一部保険適用がなされますが、生薬を用いた場合は自費診療となります。 事前に保険・自費のご説明をいたします。知らないうちに自費診療になっていたということはありませんので、ご安心ください。
妊娠中でも服用できますか?
漢方薬の中には、子宮の収縮を促進する成分が含まれているものもあります。妊娠している・している可能性がある場合には、事前に医師にお伝えください。 またそれ以外のものについても、特に妊娠初期の服用はおすすめしません。中期以降と比べると、胎児に影響を与える可能性が高いためです。(これは西洋薬でも同じことが言えます)